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トワイライト・サーガ/エクリプス

エクリプス/トワイライト・サーガ   エクリプス/トワイライト・サーガ

 

 作品の出来うんぬんに怒る人はファンじゃないことを、図らずも証明してしまう一見さん(ビギナー)お断りシリーズ、トワイライト・サーガ。“女子高生恋物語”と“吸血鬼”の合体技第三弾で、既に合衆国じゃあ信者がいるのでヒットは間違いなし。ハッキリ言って“女子高生恋物語”は別次元の他人事なので、そっち方面の進展は父親の気持ちになってハラハラしちゃう(ベラの「お父さん私まだ××よ」のセリフにホッとする気持ちがよく分かる)。

 

 ただ観客の年齢クラスターの中心はもちろん主人公と同年代で、皆さん彼女に自分を重ねてしまっているのでしょう、夢心地の2時間が過ぎていきます。そりゃあさ、永遠の時を生きてきた色白とワイルドの二択という贅沢なジレンマですからね。ファンじゃなかったら確実に怒るかもしれない主人公ベラの贅沢な“迷い”は、完結編じゃないだけに煮え切らないことこの上ない。ところがファンはたまらんのでしょうなぁ。もちろんクリステン・スチュワート 目当てのおっさんにしても、どっちに転んでも嫌だけど、どーなっちゃうんだろう?と目が離せない。早い話が韓国ドラマと構造的には近くて、女心を掴む物語の構造は不変なのかも。

 

 ところがもちろんそれだけじゃあここまでヒットするわけはなくて、よりファン層を獲得しているのがもちろん“吸血鬼もの”という側面。限りなく近い「アンダーワールド」をかわしつつ、「ブレイド」などを観ている吸血鬼マニアに笑われることなく、女子高生恋愛物語の“添え物的”設定に終わらせていない。原作者は夢からこの作品を思いついたのだそうですけれど、映画にするとなると黙っちゃいない評論家がいっぱいいるから、けっこう設定は練っていったんじゃないでしょうか。「約束の葡萄畑 あるワイン醸造家の物語」の原作も夢から出た物語だそうですけれど、ユニークな天使の物語でした。ヒットするしないは別にして、“ハリー・ポッター”だって後で分析しようとすればいくらだって出来るけれど、けっこう“思いつき”と“勢い”でつむいでいく物語は読者の心に届くものかも。

 

 ま、この作品の魅力は既存の“吸血鬼もの”を超越するというよりも、その枠組みを使いつつも、そこに自然美とか女子高生恋愛物語を合わせていったところ。第1作で好きになったのはまさにその部分でした。「ドラキュラ」は怪しい都会=ロンドンが舞台だけに成立するし、「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」を観ても退廃とか耽美とかは吸血ものにはなくてはならない要素で、清い自然の田舎風景は馴染まない。ところがそんなところを逆手にとって、原住民の伝説を絡められるのはこの作品の特徴の一つ。また主人公ベラの吸血鬼化願望を周囲のヴァンパイアたちはなんとか止めようする。そのために披露されるジャスパーとロザリーの過去は“モータル/イモータル ”ねたが好きなものにとっては興味深かった。

 

 シネコン台頭によってスクリーンの数は増えたけれど、公開される作品の幅がドンドン貧しくなっている昨今。ティーン・エイジャーに勧められるデート・ムービーとして貴重な1本ではないでしょうか(「恋しくて」なんて恋愛映画はなくなっちゃったね)。いまどきドラッグも銃も出てこないし、ハッキリ言って夢見る少女なんて30年以上も前に絶滅している(「17歳の肖像」)。ただ好きだから終わっちゃうと寂しいんですけれど、とっとと撮影しないと出演者の方々大人になってしまいます。

 

 「ニュームーン/トワイライト・サーガ」でもヤバイと感じましたけれど、「アドベンチャー・ランドへようこそ」でも確実に大人になりつつあるクリステン・スチュワート、光陰矢のごとしで「アイ・アム・サム」で既に演技派だったダコタ・ファニングも年を取らない設定の吸血鬼だけに。で、「マイレージ、マイライフ」のアナ・ケンドリックちゃんが分かりやすくて、あの作品でジョージ・クルーニー を叱って、大人に成長する役でしたから明らかに抜きん出てしまっています。卒業式のシーンはかなり厳しかった・・・。原作未読なので早く完結編が観たい。

 

現在(11/8/2010)公開中   
オススメ★★★☆☆ 

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  恋しくて

 

 単純にショート・カットの女の子に弱かったから、もう断然好きになった青春映画の佳作。これと「妹の恋人」の時のメアリー・スチュアート・マスターソンは確実に可愛い。もう絶対的に繰り返し作られている、典型的な“三角関係”の恋愛映画。でも確実に時代は進んでいて、リー・トンプソンはありがちなゴージャス美女なんだけど、メアリー演じるワッツはドラムを叩いている。もちろん20世紀だけに煮え切らない主人公は男(彼の名前はキース、この辺でネーミングのセンスは良いのではと思わせる)。

 

 男の子役のエリック・ストルツはこの後「パルプフィクション」トラヴォルタが庭に突っ込んできて、大迷惑のドラッグ卸屋を演じるんだけど、ヘレン・ハントと共演の「ウォーター・ダンス」は上手かった。10代の人に特にオススメ。確かネタ本に「〜て」の邦題が付いているのは秀作だって書いてあったけど、いい感じの1本。他のは「恋におちて」と「心みだれて」で、メリル・ストリープ おねぇ様が主演。
オススメ★★★★☆

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