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東のエデン 劇場版II Paradise Lost

東のエデン 劇場版II Paradise Lost  東のエデン 劇場版II Paradise Lost

 

 神山健治 は今年もう1本映画を撮らないだろうから、邦画ナンバー・ワンはたぶんコレになることは確実。聖地巡礼(豊洲のシネコンで観る)はできなかったけれど(しくしく)、待望の完結編にワクワク。“既存の枠”に収まらない作品に仕上げた、監督の技も勇気も努力も立派。確かに未完成と言われても仕方ない部分は多々あるし(さぞや文句が出るだろうなぁ)、スッキリしないで席を立っちゃった人も多いでしょう。しかしあの“最後の瞬間”を見逃すと、もったいないことこの上ない。まさかあんなラストになるとは・・・

 

 整理しきれない部分があるのは恐らく“納期=公開”が迫っていたことだろうし、じっくり腰を据えて作ったら3時間は優に超えてしまう情報量をこの作品は持っている。3時間の映画にするなら、テレビ・シリーズの方が有効(「スターウォーズ」 しかり「ロード・オブ・ザ・リング」しかり)。ま、裏事情は類推するしかないんだけど、1本の映画として成立させるためにも主人公滝沢君に焦点を絞って、展開させる戦略は正しい。

 

 今回いよいよ彼の出自の一端が明かされるんだけど、実に悲しい物語。つくづく不幸な星の下に生まれた人なんだけど、ぜんぜんへこたれない。彼のキャラこそ、今この国に最も必要とされる王様像なんでしょう。少なくともホワイトハウスの真ん前にフルチンで現れた男は、ミサイル攻撃から人々を救い、日本人に重要なメッセージを発し、一人の少女を成長させた。機械(高性能のAIジュイス)にさえも心を開く(対面するシーンは泣いちゃった)、彼こそヒーロー。

 

 で、意外にも複雑に見えた物語ですが、ちゃんと勧善懲悪の部分もあって、悪役には天罰が下っている。もちろん有言実行の人、滝沢君はその発言どおりMr.OUTDSIDEを×××××ちゃう。ただ滝沢君のキャラはあくまで陽性なので、黒幕も救われていると思うんですけれど。

 

 “既存の枠”をことごとくスカしているこの作品は、案外オリジナルなのかもしれません。類似している作品、引用されている作品がまるで見当たらない。“高度資本主義の成れの果てになりつつある日本”を描いた邦画なんてまずないし、“ネット環境が当たり前 の21世紀”を描ける邦画の監督なんていないもんね。未完成でも好きになってしまう、顧客満足度の高い監督=映画作家の誕生。前作「東のエデン/The king of eden」は必見だけど、ホントに“他に類を見ない”オリジナルだと思う。

 

現在(3/15/2010)公開中
オススメ★★★★☆

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  東のエデン

 

 「攻殻機動隊」のOVA版で人気と信頼を得た神山健治。アニメーションのゴールデンタイム= 深夜枠で、あっと驚く新作を完成。もちろん人々をあっと驚かせるための仕掛けは十分で、主題歌をオアシスに歌わせたり、キャラデザインも羽海野チカ(「ハチミツとクローバー」)にしたりと用意周到。当然のことながら中身がとんでもないからの“仕掛け”で、見事“作品信者”を獲得。ケータイをメインの小道具にして、この国の今(21世紀)を生きる人々、事象を描ききった傑作。最終回のラストシーンに感無量になってしまうのです。サブキャラながら、“パンツ”こと板津がお気に入り。 
オススメ★★★★☆ 

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