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第9地区

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 技術が向上したのを受けて、VFXを駆使しているんだけど、ドキュメント・タッチに見える特撮作品がここ数年いくつか見受けられます。「ハンコック」「クローバーフィールド」などがそうで、ビデオ映像っぽく見せると生々しさが増して、既存のSFとは異なる効果を生み出せます。なにせ昨年末の「アバター」がありますから、いくら予算をつぎ込んでも以前のような描き方では勝負にならない。ならば違うアプローチで迫るというのは21世紀の戦略。ま、ピーター・ジャクソンが製作ですから、ニュージーランドの特撮チームでしょうけれど、やりますねぇ。ドキュメント・タッチだけでは終わらない、なかなかに見せ場もちゃんとあったりして、「トランスフォーマー」ばりのロボ・アクションがなくちゃ合衆国でヒットするわけもないもんね。

 

 さて、「未知との遭遇」とか「インディペンデンスデイ」のようにデッカイ宇宙船に乗って異星人が地球にやってくるのは定番ながら、この作品のポイントは彼らが“善か悪か”ではない。むしろ人類のおぞましいまでの“悪の側面”が浮き彫りになっている。異星人を“移民”のメタファーとして描いた「エイリアン・ネイション」より“酷な21世紀の現実”がありあり。少なくとも「エイリアン・ネイション」にはまだ救いがありました・・・。ところが21世紀のSFですから、ヒューマニズムもへったくれもない。善人がまるで出てこないんだもんな。ハエ男にじわじわと変身していくホラー「ザ・フライ」 だって人間らしさに貫かれていたのに・・・。

 

 「トゥモロー・ワールド」がイギリスを舞台にしたように、“酷な21世紀の現実”を描くには最適のアフリカ。先進国が食い荒らしたかの地(「ブラッド・ダイヤモンド」しかり「ナイロビの蜂」しかり)が生々しく我々の眼前に映し出される。スラムの様子もすごくて、世界の現実そのものって感じです。そんななかにいかにも平均的サラリーマンの主人公は“お上の業務”を遂行しに来るんですけれど、嬉々として行っていることは「遠い夜明け」にも出てきた悪事の遂行。指図をするのが軍需産業で、連中を描くのは「ロード・オブ・ウォー」とか「消されたヘッドライン」みたいなシリアス路線の作品だけかと思っていたら、「アバター」 に続いてSF にも世界に暗い影を落としてくる“悪役”として登場。

 

 本音を言えば出てってほしいという移民問題はこの国ではピンときませんけれど、どこか“普天間基地移設問題”のニュース映像とかぶります。為政者の無策によって、市民が迷惑をこうむるという図式。偉人も出てこないし、ヒーローも出てこない、しかも人類こそが悪そのもの。まさに21世紀SF映画 のエポック。この監督の度胸と根性はすごい。しかし“人類こそが敵”が定番になったら怖いなぁ。エイリアンに吹っ飛ばされる兵隊見ててスカッとするなんてかなり危険。「インビクタス負けざる者たち」 の真逆の作品ながら、重要な1本。マジで子供に見せたくない現実。

 

現在(4/12/2010)公開中
オススメ★★★★☆ 

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  未知との遭遇

 

 タイトル通り侵略者でなく、友好的な宇宙人との“接近遭遇”を描いたスティーヴン・スピルバーグ の初期傑作。当時の宣伝が「第一種接近遭遇とは・・・」なんて感じでうまーく煽るもので、子供だっただけに本気で信じていました。ラストに出てくるデッカイ宇宙船は圧巻。また映画青年秀才監督スピルバーグだけに、科学者としてフランソワ・トリュフォーが出演しているのも映画好きとしておいしい1本。 
オススメ★★★★☆

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  エイリアン・ネイション

 

 「ゼイリブ」「ヒドゥン」ともども80年代を代表するB級SF。予算の都合上知恵で勝負だけに、レーガン政権下の移民問題を絡め、異星人を彼らのメタファーとして使用。大掛かりなSF臭さはないものの、ジェームズ・カーンの刑事もの、バティもの「リーサルウェポン」「48時間」 も「マイアミバイス」 も)として楽しめます。いかにもマッチョでタフな刑事が毛色の違う相棒と仕方なく捜査していくうちに・・・。かの「ダーティハリー」 っぽいパターンですけれど、80年代だけにスッキリしているところがミソ。あの「ゴッドファーザー」 の長男ソニー役、ジェームズ・カーンが娘に叱られるダメ親父になっていたのが微笑ましく、そこんところは十分21世紀に通じると思いますがいかがでしょう。 
オススメ★★★☆☆

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  ザ・フライ

 

 瞬間物体移動装置を開発中の科学者が、誤って“ハエ”と一緒に転送されてしまったため悲劇が襲ってくるホラー。監督がデビッド・クローネンバーグだけに、ジワジワとハエに変身していくところがものすごくグロテスクで、ご飯時には絶対観られない代物。この作品で主演のジェフ・ゴールドブラムは強烈な印象を残してしまったため、イメージ脱却はなかなか難しかったみたい。でも今観るとラストはちゃんとヒューマニズムしているんだよなぁ。
オススメ★★★☆☆

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