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セントアンナの奇跡

  セントアンナの奇跡

 

 「ドゥ・ザ・ライト・シング」以来独特の視点で、アフリカ系アメリカ人を描いてきたスパイク・リー。作風はインテリっぽいものながら、顧客満足度が高い映画作家なので、幸運にも20年以上に渡って作品を発表し続けている。ま、生粋のニューヨーカーなので、地元ネタで勝負することが多かったのが初期。ただ最近は「セレブの種」 みたいなコメディを撮ったかと思えば、エドワード・ノートン主演の「25時」みたいな正統派シリアスドラマに取り組んだり、独自のテイストで勝負したサスペンス「インサイド・マン」など“やろうと思えばできるんだぜ”という、テリトリー外への挑戦が見受けられます(実際この人挑発的です)。もともとニューヨーク大映画科を出ているので、映画の教養はバッチリ。短編(「10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス」「それでも生きる子供たちへ」)でも実に巧みな描き方をします。

 

  さて今回生粋のニューヨーカーが手掛けたのは、第二次世界大戦中の知られざる悲劇を題材にした小説の映画化。戦争映画 の体裁をもっていますので、彼の教養(映画の)が遺憾なく発揮されています。もちろん彼のテーマである“黒人差別”を描くにはもってこいのモチーフ、バッファロー部隊が主人公。部隊からはぐれた4人が敵中を行く様は「プライベート・ライアン」というより、その元なった「最前線物語」を参考にしているんでしょうか。歴史に埋もれさせてしまうには、余りにもむごいナチスの残虐行為は今こそ映画にするべきなんでしょう。たださすがはインテリ監督スパイク・リーというか、ドイツ人全員が悪の権化のようには描かない。「戦場のピアニスト」にしてもそうですけれど、周りに染まらない“勇者”がいるから人間なのです。

 

 原作の巧みなプロットを十全に活かし、感動のラストでしめくくる。彼の作品中もっとも“らしくない”ものかもしれませんけれど素晴らしかった。時代が悪い方へ悪い方へと流れて行っている今こそ、こういった作品は重要です。まさかね、スパイク・リーの映画で泣いちゃうなんてね。

 

現在(7/29/2009)公開中      
オススメ★★★★☆

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  最前線物語

 

 映画通によれば、最も知名度の高いサミュエル・フラーの傑作なのだそう。実際に第二次世界大戦に従軍した人だけに、戦闘シーンの生々しさはもとより、“それ以外”の描写は一味違います(特に最初と最後がね)。この作品を観た後に「プライベート・ライアン」 を観ると、なるほどスティーヴン・スピルバーグ という人はホントに秀才監督で、傑作をよく研究していることが分かります。そっくりなシーンが結構アリ。
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