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スラムドッグ$ミリオネア

スラムドッグ$ミリオネア  スラムドッグ$ミリオネア

 

 ここ数年アカデミー賞を受賞する作品に、変化が起きているのは目に見えて明らか。10年くらい前だったらコーエン兄弟「ノーカントリー」とかポール・ハギスの「クラッシュ」が、ノミネートならまだしも受賞するなんてあり得ませんでした。しかし大河ドラマだったり、過剰演技の問題作だったりするよりも、直接現代を描き、多くの人々にアピールする作品が好まれるようです。ま、何のことはないミニシアターに行けば観ることが出来る良質の小品なんですね。アメリカの人々(というよりアカデミー会員か?)が求めるのはインディペンデント(貧乏映画)でも世界の現実に近い作品みたいです。

 

 さて監督が「トレインスポッティング」 のダニー・ボイルですから、イケイケのイギリス映画を想像していましたけれど、まるで違う。西側諸国でこの近辺を描ける、映画監督マイケル・ウィンターボトム(「マイティハート/愛と絆」「グアンタナモ僕たちが見た真実」)に近い。低予算ながらこのエリアのことを十分理解した上で、映像化に着手している。

 

 つまり観客である我々はまず“インドの現実”を見せつけられるのです。タイトルが“スラムドッグ”というくらいですから、裕福とは真逆な主人公の生い立ちは壮絶。ゴミの山のような貧民窟、イスラム教徒への迫害、物乞いをする孤児などなど。(でも「それでも生きる子供たち」同様発展途上国の子供の瞳はどうしてあんなに輝いているんだろう?)そんな地獄のような世界から主人公は生き抜き、あのクイズ番組に出演し、賞金を勝ち取っていきます。

 

 観る前はロバート・レッドフォード監督の「クイズ・ショウ」 みたいな展開を想像していましたけれど、実に巧みに主人公ジャマールの人生が盛り込まれ、食い入るように魅入ってしまいます。時にため息をつき、時に涙をこらえ、時にハラハラしながらラストに結実していく。見事な構成と現実を踏まえた描写、確かにお金はかかっていないけれど贅沢な一本でした。ラストはインド映画の“お約束” で締めていたし、決して暗い現実だけの作品ではないところがスゴイ。

 

 観ていて我が国にも昨年(2008年)「闇の子供たち」という、タイの現実をキチンと描いている作品があるのに、話題にも賞にノミネートされることもありませんでした。エライ違いです。

 

現在(5/8/2009)公開中  
オススメ★★★★☆

 

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関連作

  ムトゥ 踊るマハラジャ

 

 公開当時トレンドの中心=渋谷のシネマライズで人気に火がついちゃったので、公開を途中でやめざろう得なかった爆笑ミュージカルコメディ。「アメリ」の持つ興業記録をあわや塗り替えそうになったため、急遽取りやめ(業者の営業さんが言ってたそうです)。なぜかというと“おしゃれ”が売りの劇場だっただけに。上映時間が長いので、必然的にロング・ランになってしまい、その間にも話題が話題を呼んじゃってヤバかったのです。「グランブルー」にしろこの時期はよく渋谷に通った。

 

 シネマライズだけじゃなく、シネセゾン渋谷にも。漫然と見るにはうってつけの1本で、ストーリーなんかまるで覚えていないけれど、3時間近くゲラゲラ笑いながら観ていた。仕掛けはもうワンパターンで、お話しがダレそうになると歌が始まってミュージカルが展開。紙芝居みたいな特撮使って馬車が飛んじゃうトコとか、さえない中年にしか見えないムトゥがタオルを振り回すとことか、観客が沸きあがる部分だけで構成されている映画です。大勢集まったときにみんなで見るには最適。
オススメ★★★☆☆

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