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007 / 慰めの報酬

007 慰めの報酬  007 / 慰めの報酬

 

 6代目ジェームズ・ボンドをダニエル・クレイグが襲名後、第2弾となるのがこの作品。監督が“そつなく魅せてくれる才能”の人、マーク・フォースターなので期待度十分。もちろんこの手のアクションは初の人ながら、素晴らしい仕上がりでしたね。既に我々は「ボーン・アイデンティティー」のシリーズや実録諜報もの「アメリカを売った男」「グッドシェパード」などで現代版スパイ映画に目が慣らされてしまっている。

 

 そんなことは百も承知の監督はまず“007のお約束”をアッサリ放棄。“ボンドカー”、“悪の秘密結社”、“ボンドガールとの熱い一夜”、“Qが開発するちっちゃい武器”などなど。なんだそれじゃあ、007じゃないじゃないか!とおっしゃるファンがいても不思議じゃありません。でもでも「バットマン」だってちゃ−んとお色直ししたからこその「ダークナイト」。情報過多の現代にフィットさせるにはこのくらいはしないとね。

 

 ボンドカーは出てこないけど、超絶テクニックのカーチェイスを冒頭からご披露。誰も持っていなさそうなちっちゃい小道具ではなく、ケータイをフル活用。ま、現代の携帯電話はつまるところネット 端末ですし、カメラ付は当然ですものね。で、彼が追う組織が物凄く生々しい。組織というより成金悪党の寄り合い所帯みたいな感じで、密談も秘密基地じゃなくオーストリアでオペラを鑑賞しながらやっている。

 

 狙っているのはホリビアの×××。クーデターを起こそうとしている連中に金ばらまいたり。この辺の設定には脚本で参加しているポール・ハギスの力が大きいでしょう。だてに「クラッシュ」「告発のとき」の監督はしていない、現実的なのです。いちおう悪のリーダーと目される男に扮しているマチュー・アマルリック(「キングス&クィーン」「潜水服は蝶の夢を見る」)、色白で得体の知れない感じがハマッてます。いかにもITビジネスとかファンドとかで儲けた後に“環境”を喰い物にしそうなどこかの国でも見かけたようなワル。

 

 かつてのシリーズを知る人にとっては、明らかにスケール・ダウンしているように見える設定ですけれど、抜群に面白い。それはまさに監督の力量で、「ボーンアルティメイタム」に負けるものか、と言わんばかりの体当たりアクションの連続。やたらガラスを突き破るシーンがあって、主演のダニエル・クレイグ氏はすり傷絶えなかったんじゃないですねぇ、ホント痛そう。

 

 しかし血の滲む努力の甲斐あって、アクョン映画としてもスパイ映画としても極上の1本となっておりました。更に今回はハード・ボイルドに徹しているボンド氏のお陰で、ボンドガール=オルガ・キュリレンコちゃんの魅力は堪能できませんでしたけれど、次回作ではきっとプレイボーイの面目躍如を果たしてくれることを期待。しばらくは6代目ボンド氏のシリーズから目が離せなくなりそう。

 

現在(1/17/2009)公開中    
オススメ★★★★☆

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関連作

  フロウ ~水が大企業に独占される!

 

 ずいぶん昔に知的新人類のための現代用語集〈2〉という本の中で、ミネラル・ウォーターに関してとても楽しい“くだり”があったのを良く覚えています。“水を汲んできてラベルを貼ればOKの怠け者の商売”、西洋かぶれの連中は「むこうではミネラル・ウォーターを飲むのが常識なんですよ」と言って、日本の水も早く不味くなるべきだと考えている。で、「007/慰めの報酬」ではバッチリ描かれていた、成金悪党どもが手を着けようとしている、“ボリビアの水資源独占”は本当でした。この作品が製作されたのが2008年で、「007/慰めの報酬」の公開が2009年、本作の日本での公開が昨年で、わたくしめが拝見したのがつい最近(6/12/2011)、やれやれ世界からずいぶんと遅れてしまっています。

 

 さて、残るは空気か?というくらい多国籍企業の商魂は常軌を逸している。まぁ店長でしたから、売り上げが確実視される品物なら、飛びつきたくなるのも分かるけれど、とうとうそこまでイッちゃったのねと恐ろしくなる。“先進国による途上国の搾取”では不十分な見方で、より正しくは先進国の政府を利用した多国籍企業の営為。企業の目的はハッキリしていて、収益を上げて株主に配当する(「ザ・コーポレーション」をぜひどうぞ)。これしかないので、人類や地球を滅亡させようが成績が達せられれば・・・、が終点。もちろん人類は馬鹿じゃないですから、この手のドキュメンタリーがブレーキをかける。

 

 前半は「未来の食卓」でも触れられていた農薬に関することで、グローバル化した以上、世界中の人々が関心を持つべき問題であることが思い知らされます。もちろん「運命の瞬間」と同じく、思惑が絡んでいるから、なかなか表沙汰にはならない。じゃあ日々平穏に暮らしている我々には、どうすることも出来ないのか?といって嘆くことはありません。簡単です、ボイコットしちゃえば良い。ま、アダルトのメーカーみたいに、もの凄く多く見えるレーベルが実は一社ってこともあるけどさ。
オススメ★★★☆☆

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