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インフォーマント!

インフォーマント!  インフォーマント!

 

 「ボーン・アィデンティティ」のシリーズでは影を背負ったヒーロー、「グッドシェパード」では生まじめなCIAエージェント。主演作で“お間抜け役”をあんまりやってこなかったマット・デイモン(自身の脚本作「グッドウィル・ハンティング」なんてホントに素晴らしいからね)。やるのは「オーシャンズ111213」だけかと思っていたら、体重増も手伝って今回かなり笑える男に変貌。もちろんただ笑えるだけでなく、実在した“告げ口屋”で、まさに“事実は小説より奇なり”。自身の会社をFBIに告発するってトコまではいいけれど、とんでもない××つき。「アメリカを売った男」みたいな展開を予想していたけれど、覆したのは主人公のキャラ。アレだけ堅気の人々を振り回して大騒動を起こすんだから、とんでもない。合衆国のサラリーマンはこの国の一流企業で横領している管理職連中とはタマが違う。

 

 で、デビュー作が「セックスと嘘とビデオテープ」というくらいだから、この実在のアホんだらに興味を示した監督のスティーヴン・ソダーバーグ「エリン・ブロコビッチ」以来の企業ネタに挑戦。それにしても実際の企業名をそのまま使ってしまうのには驚き。味の素株式会社も協和発酵もバッチリ名指しされていたりして。もちろんマイケル・ムーア(「ロジャー&ミー」、「ボーリング・フォー・コロンバイン」 )のように企業を告発するってのが目的ではなくて、実際にあった騒動と実在のアホんだらを描くことがこの作品のキモ。

 

 「チェ28歳の革命」「チェ39歳別れの手紙」の2本がかなりヘヴィだったから、軽めな感じで迫ったんでしょうか。ま、オリヴァー・ストーンのように全世界が関係する人物(「ブッシュ」 )だと笑いも凍りつきますけれど、一企業とFBIのドタバタだけに、無責任に笑っていられる。

 

 それにしても映画監督のスティーヴン・ソダーバーグの“わが道を行く”姿勢には正直脱帽。現代の話なのに物凄く古臭く見える。撮影監督も自身で兼ねる万年映画青年は、どーしても時代に逆行する映像を撮りたいみたい。マイケル・マン(1943年生まれ)の「パブリック・エネミーズ」 にしても、ジェームズ・キャメロン (1954年生まれ)の「アバター」 にしても、最新技術を惜しみなく投入しているのに、最新技術を使って“古臭さ”を演出するとは・・・。

 

 ジョージ・クルーニーと仕事をすることが多かったけれど(「アウト・オブ・サイト」「オーシャンズ111213」「グッドナイト&グッドラック」「シリアナ」)、今回はマット・デイモンを抱き込んで、趣味の映像も込みで珍品を完成の万年映画青年ソダーバーグ。きっといつまで経っても変わらないんだろうなぁ、やはり映画作家ってトコか。しかし日本ではホントに受けなくて、この作品もギリギリ劇場で観られたって代物。それにしてもマット・デイモンって結構義理堅い。ソダーバーグの「チェ39歳別れの手紙」 だけでなく、「グッドウィル・ハンティング」の監督ガス・ヴァン・サンドの「小説家を見つけたら」 にチラッと出たりして。

 

現在(12/23/2009)公開中 
オススメ★★★★☆

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関連作

  グッド・ウィル・ハンティング

 

 ロビン・ウィリアムズは一度「いまを生きる」で教師役を演じていますけれど、今回は結果的にマット・デイモンの“師”となる優しい精神科医を繊細に演じています。彼のこういった役どころは本当に素晴らしく、感動を呼びます。しかしもっと驚くべきはこの作品の脚本を主演であるマット・デイモンとベン・アフレックが書き上げていることで、彼らはアカデミー賞を手にしています。さすがハーヴァード出身のマット君。
オススメ★★★★★ 

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  小説家を見つけたら

 

 前作「グッド・ウィル・ハンティング」“師と弟子”ものに非凡な才能を持っていることを証明した監督のガス・ヴァン・サント。今回もだいたい同じラインで物語は作られていますが、“師”に扮するのは大スターのショーン・コネリー。貫禄の芝居で隠遁している作家を演じています。 彼のモデルはもちろん本当に隠遁生活をしているアメリカの作家ジェローム・ディビッド・サリンジャーで、英文科の方はその辺も楽しめると思います。
オススメ★★★★☆

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