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チェ 28歳の革命

チェ 28歳の革命  チェ 28歳の革命

 

 アメリカ合衆国及びその同盟国である我が国では、意図的に情報が制限されてきたキューバ。合衆国にとってはそれは当然で、闇に葬りたいことは山ほどある、屈しない目と鼻の先にある社会主義国。もちろん知っている人にとっては当たり前のことなんですけれど、最近までまるで未知の国だったのにはただ恥じ入るばかり。しかしオリヴァー・ストーン「コマンダンテ」というドキュメンタリーのお陰で、革命の英雄フィデロ・カストロ氏の実情が少しずつ分かり始めたり、「モーターサイクル・ダイアリーズ」によって、若き日のチェ・ゲバラ氏を観ることが出来たので、なんとかついていくことが出来ました(この2本は必見です)。

 

  さてパンフレットのインタビューで監督のスティーブン・ソダーバーグが語っているように、そもそもこの映画は主演のベニチオ・デル・トロ が持ちかけてきた企画で、ゆえに全編を通して非常に冷静な描写に終始している。ココがこの作品のキモで、幾多あるゲバラの映画とは一線を画するユニークな1本になっているようです。聞いた話によるとゲバラはとにかく英雄だから、結構映像化作品はあるとのこと。しかし死後40年経過してなお影響力の途絶えない人物を、歴史上の1人として描くのではなく、今まさにそこに生きているように描くやり方は新鮮。殆ど抑揚のない流れには退屈される方もいるかもしれませんが、彼の人となりを理解するには本当に良いテキストとなる1本です。

 

 戦闘にしてもドラマティックに描くのではなく、今まさにそこにいるような感覚にさせるのは映画青年ソダーバーグの真骨頂でしょう。オーシャンズ1113 のような売れる趣味的映画の時は役者が大物ばかりだからそれほどテクニックを駆使したりしていませんでしたが、「トラフィック」 以来の本気モードが伺えます。もちろん主演のベニチオはこの英雄を魂を込めて熱演しているわけですが、それを捕える監督が冷静であったからこそこの作品を単なる英雄譚からグレード・アップした貴重な1本に昇華させているんだと思います。2本目の「チェ39歳別れの手紙」 が楽しみになってきました。

 

現在(1/10/2009)公開中
オススメ★★★★☆

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  セックスと嘘とビデオテープ

 

 弱冠26歳、スティーブン・ソダーバーグ衝撃のデビュー作がこれ。万年映画青年である片りんは主演に起用されているジェームズ・スペイダーからも良く分かります。この時期の彼は青春映画で悪役ばかりを演じていましたから。ギャラは安くとも実力派で固めたキャストも大成功で、そういえばこの作品に出ていたローラ・サン・ジャコモは「プリティ・ウーマン」にもジュリア・ロバーツの友人役で登場しています。映画のタイトルに“ビデオテープ”が入っているところがなんともアイロニカルですけれど、いかにも80年代的“無機質”若者像が描かれている時代を切り取った傑作です。当時存命だった映画評論家淀川長治氏も、「映画の快楽」という本の対談で「最近一番好きだ」と語っておられました。
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