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キャピタリズム~マネーは踊る

キャピタリズム マネーは踊る  キャピタリズム~マネーは踊る

 

  「ロジャー&ミー」では自らの地元デトロイトを襲った大量解雇を、「ボーリング・フォー・コロンバイン」では銃社会(全米ライフル協会)、「華氏911」では大統領、「シッコ」では医療制度、まぁとにかく“アポなし突撃取材”で合衆国の矛盾、問題点を見せつけてきたマイケル・ムーア。彼を非難する人々もいることは分かりますけれど、余りにも彼の反対側の意見“=政府がリークし、マスコミが垂れ流す”がまかり通っているから、オリヴァー・ストーン「コマンダンテ」「ブッシュ」)共々アメリカ合衆国にとっては必要な“国粋主義者”。

 

 確かに笑いが混じっているから、主張していることは過激で偏っているように見えます。しかし大人が冷静に見てみれば、“どー考えたっておかしいだろう”と思える現象ばかりを彼は扱ってきた。前回の「シッコ」だって切断された指を接合するのに選ばせるんだから・・・。今回も飛行機パイロットがアルバイトはおろか“売血”しているってのにはビックリしましたね。「路上のソリスト」にも出てきましたけれど、ホームレスは一向に減ってないし、医療制度だって“にっちもさっちもいかない”。原因は何かが今回のテーマで、ズバリ資本主義。

 

 「ザ・コーポレーション」が最も分かりやすく見せてくれますけれど、非人間的、血も涙もなければならないのがアレで、実践している人々は“悪事”を働いているわけではない(「プロヴァンスの贈りもの」前半部分が実に分かりやすい)。持論ですけれど、欲望をバックにしているから“共産主義”にも勝利したんだし、格差は当然の帰結。ただこの作品では“出口”が示されているから、暗澹たる気持ちで劇場を後にすることはありません、ありがたいことに。更にありがたいことに、この国の先々のヒントとしても有効なドキュメントではないでしょうか。

 

現在(12/6/2009)公開中                              
オススメ★★★★☆

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 マイケル・ムーアが著書のサイン会や講演会のツアーを口実に、全米各地を回って不当解雇の現場を訪れるドキュメント。超スマートに人のクビ切って回るプロが出てくる前で、お得意の突撃取材で、責任者にじかに迫っていく。全米を旅して回る部分は「ボラット栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」に似ているようだけど、笑えるのはトーク・ショーのごとき講演の部分だけで、副知事に詰め寄るトコはシリアス(ぜんぜん笑ってない)。「ロジャー&ミー」は地元デトロイトの工場閉鎖だったけれど、各地で似たような事態は進行していて、合衆国が実は空洞化し、転落しつつある現実を計らずもとらえていたようにも見えます(21世紀の今となってはかなり明白)。

 

 後に「キャピタリズムマネーは踊る」でも取り上げられていましたけれど、飛行機搭乗員の給与に触れる部分もある。もちろん冒頭では政治家が槍玉に上がっている(天敵のあの人じゃないけれど)。彼を嫌う人がいるのもうなずけるけれど、それは彼が国の行く末を本当の意味で憂いているからで、国粋主義者だからかも。「ザ・コーポレーションでもナイキに触れていたけれど、CEOに会いにいくってのは「ボーリング・フォー・コロンバイン」にも通じる姿勢。笑いをまぶしてはいますが“突然の解雇はテロ行為”というのは核心をついている。
オススメ★★★☆☆

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