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闇の子供たち

  闇の子供たち

 

 話には聞いているし、実際あることは分かっていても、見せつけられるとなるとひるんでしまう世界の実像。テレビを中心としたマス・メディアがブラフを垂れ流しているお陰で、映画は題材としてこの種の厄介な問題を扱ってきました。ただしそれは海外でのことであって、この国で挑戦することはまずない。「それでもボクはやってない」だってかなり勇気のある一本でしたが、ここまで凄い内容のものは初めて観ます。「どついたるねん」、「ビリケン」の監督阪本順治が挑戦した題材は“タイの人身売買”。

 

  何年か前にタイに旅行に行ってきた人に「当地では大学生が女を買ってすごいよ」という話を聞いていましたけれど、貧しさ故に成せる業とはいえ、すごい実態が暴かれていきます。児童買春や臓器提供のためのパーツとして買われてくる子供たち。そういった実際に起こっていることを可能な限り抑制した描写によって、その残酷さを浮き彫りにしていく。丁寧な造りによってそれぞれのシーンは目に焼きついて離れなくなってしまいます。

 

  主演の江口洋介、宮崎あおい、妻夫木聡の3人は意義ある題材に実に真剣に取り組んでいて、作品を実のあるものにしている。ただのスターではないのです。ちゃんと現地の言葉もマスターしていたしね。よくもまぁ実際の土地に行ってロケをしたものです。

 

  子供をゴミ袋に入れて捨てたり、エイズが発症するまで買春を強要したり。人間はここまで酷いことをしてしまう生き物だということを、まざまざと見せつけられる渾身の1本。正直若い人にはあまりにも強烈過ぎるので、オススメできませんけれど、分別ある大人は目を背けず見るべき一本と言えるのではないでしょうか。

 

 早い話が娯楽作ではないし、感動とはかけ離れていますけれど、日本映画でここまで世界の事実に迫った作品は貴重です。「誰も知らない」の時もそうでしたけれど、ちゃんとこの種の題材に挑戦している映画人がいるから、まだ邦画って観る価値を残しているんだと思います。もしなかったら今頃洋画しか観なくなっている。本年度ナンバー・ワンでしょう、この国の賞はとらないかもしれないけれど。

 

現在(8/14/2008)公開中
オススメ★★★★☆

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  犬、走る DOG RACE

 

 故松田優作を想定して書かれた脚本を崔洋一がリライトして監督。彼のテイストが存分に盛り込まれている真っ向勝負の日本映画。その証拠に埋もれてしまって、掘り起こすのに一苦労(その辺のレンタル屋にありません)。「月はどっちに出ている」(どーしてDVDレンタル無いんだろう?)の岸谷五朗、遠藤憲一、大杉漣、この3人の取り合わせは絶妙で、「眠らない街 新宿鮫」より突っ込んだ歌舞伎町のダークサイドを日常的に描いているのはまさに監督の持ち味。

 

 人身売買、非合法カジノ、“ぼったくり”バーなどの生々しさに加えて、歌舞伎町の映画館で上映されていた「ボルケーノ」「MIBメン・イン・ブラック」だけでなくブラッド・ピットの「リック」まで看板が映っているのは見ていて楽しい。さらに新人刑事役の香川照之、セリフがないのに印象的な國村隼(「アウトレイジ」)、岩松了(「時効警察」)までチラリ。ヤクザな世界が生々しく展開するけれど、物語の軸は中国美女を巡る男達の話で、“あり得る”ように見えるのはさすが。音楽で小島麻波25(mach25)などが参加しているところは聴きどころ。「東京ゴッドファーザーズ」も新宿で見たので、雰囲気を味わえたけど、コレも出来れば歌舞伎町で観たかった。 
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