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再会の街で

再開の街で  再会の街で

 

 ずっと前ですけれど、ダニー・グローバーとマット・ディロン共演で「聖者の眠る街」(レンタルできません)という作品がありました。ホームレス収容所で出会った行き場のない2人が友情で結ばれ、かすかな望みが射す。けれど、現実はいやおうなく大切なものを奪っていく。

 

 この作品を観ていてちょっと思い出しましたけれど、本当に現実は残酷。ホームレスを大量に生んだ80年代の不景気は脱したけれど、アメリカには再び暗雲が垂れ込めている。あの“9.11 ”の事件。確かに帝国アメリカを憎む人は多い、しかし何の関係もない市民を殺して何になりますか。この作品に込められたメッセージはもっとより普遍的ですけれど、やはり思い起こさずにはいられません。あの事件を描く作品は色々あったけれど(「ユナイテッド93」「ワールド・トレード・センター」)、ようやく犠牲になった人々の家族に焦点を当てた作品も出てきたのですね。

 

 主演の2人だけでも必見の素晴らしい演技。それだけでも見る価値は十分にある。本業はコメディアンのアダム・サンドラー、「もしも昨日が選べたら」と比べるとまるで別人ながら、本当に真実味のある文句なしのオスカー級の演技。また「オーシャンズ13」ではスチャラカ演技も出来るけれど、「クラッシュ」「ホテル・ルワンダ」でその実力はだいぶ知られてきたドン・チードル。この人が出演するだけで、いそいそと劇場に足を運んでしまいますけれど、今回も唸ってしまいました。だってごく普通の真面目な家庭のパパを自然に演じている。さすがとしか言いようがない。

 

 この2人だけではありません、思いやりが滲み出るような精神科医をリヴ・タイラーが静かに、しみじみと見せてくれる。また「ナッティ・プロフェッサークランプ教授の場合」に出ていた頃は、ただのモデル系美人でしかなかったウィル・スミス の奥さん、ジェイダ・ピンケット=スミス。この人がごく普通の主婦を演じきってしまうんですねぇ、驚いたなぁ。そして出番はごくわずかながら、実に説得力のある存在感を焼き付けたドナルド・サザーランド。文句なしですね。息子(ジャック・バウアー=キーファー・サザーランド)は追いつけないだろうなぁ

 

 見る前からいけるだろうとふんでいたけど、本当に素晴らしかった。安易なハッピーエンドでもないし、ただ絶望に押しつぶされるだけで終わらない。ユーモアを交えつつ、しっかりと描いていく。それは舞台がニューヨークだからなのかもしれませんね。あの「スモーク」 がそうであったように。確かに癒すことの出来ない傷というものはある。しかしこの作品に描かれているのは「あなたになら言える秘密のこと」「サラエボの花」 でも描かれている戦争の傷跡そのもの。このような物語を“実話を基に”することなく映画にした監督と出演者の力量と心意気に拍手。2008年1本目の映画に恵まれました。

 

現在(1/4/2008)公開中                                    
オススメ★★★★★

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  聖者の眠る街

 

 個人的にはマット・ディロン のベスト・ワンに挙げたい1本。レーガン政権下で大量発生したホームレスの問題を取上げた意義ある作品。もっとも問題を取上げるといっても、ぜんぜん説教臭くなく、一つの感動作として心にいつまでも刻まれる傑作。ジュリア・フォーダム の歌が流れるところは涙してしまいます。
オススメ★★★★☆

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