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ボーダータウン 報道されない殺人者

ボーダータウン 報道されない殺人者  ボーダータウン 報道されない殺人者

 

 市場原理に従えば安価な労働力を求めて、貧しい国に工場を建て、地元の人々を雇うことは間違っていない。しかし企業のダメージを恐れ、近隣で多発する殺人事件を隠蔽することは明らかに誤り。それを正すことは出来なくとも、人々に知らせ、訴えることは報道に携わるものの使命。そんな当たり前のことを映画にするだけで、深く静かな感動があるのが現在(21世紀)の先進国。

 

 この題材に自らの知名度をも利用して臨んだのがジェニファー・ロペス 。「ウェディングプランナー」とか「Shall we Dance?シャル・ウィ・ダンス?」「メイド・イン・マンハッタン」 のようなお気楽な娯楽作や、「ザ・セル」のようなややシリアス系の作品に出演してはいても、本業が歌手であるから、あまりマジ路線の作品にはしてこなかった彼女。しかし今回は本気モード全開で、根性の入ったジャーナリストを熱演。アンジェリーナ・ジョリー「マイティ・ハート愛と絆」で見せた芝居に肉迫している力の入れよう。

 

 最初はキャリア・アップの為と野心満々で始めた取材が、被害者の少女と行動をするうちに本気で取り組むようになる。その過程を凛々しく演じているんですよねぇ、彼女。またキャリア女性の悲しさも交えたりして、良い感じです。しかしそんな彼女の努力に立ち塞がるのが企業と飼い犬の議員。マーティン・シーン扮する編集長が絶叫する「報道はとっくに買われていて、人々が求めるのは娯楽だ」と言うセリフはまさに真実です。

 

 我が国の「闇の子供たち」でも描かれましたが、非先進国を先進国が蹂躙する様は醜悪で、確固として存在する悪行はやはり認めざろう得ない。その悪行の上に我々の快適な生活が乗っかってることも。実際見ていて忸怩たる思いをする羽目になります。だって被害者の女性達が作っているのは、先進国向けテレビやパソコンですから、無関係のひと事として済ませるわけにはいかない。ジェームズ・ウッズ主演の「サルバドール」でも中南米は怖いなぁと思いましたけれど、その原因を作っているのはこの国の同盟国。もともとノーム・チョムスキー先生の著書いわく、この地でCIAやらを使って悪事を働いていたのはアメリカ合衆国ですからね。それはロバート・デ・ニーロ監督作「グッド・シェパード」でもキッチリ描かれている。

 

 もちろんこの作品は先進国の企業を告発する目的で作られたのではない。ただ5000人も殺されて埋められた人が存在するにもかかわらず、それを隠蔽するのは明らかに誤り。マスメディアが真実から目を逸らさせるためだけに機能している昨今、こういう作品は本当に貴重。

 

 しかしそれだけではなくて、ピカピカのビルで調子こいて仕事しているキャリア志向の悲しさとか、家族の絆、本物のジャーナリスト の根性などをサスペンスフルな展開を交え、物語として無理なく成立させている監督の手腕にも脱帽。「バベル」のイニャリトゥにしても「ナイロビの蜂」のフェルナンド・メイレレスにしても、その実力は意義ある題材をキチンと映画として仕上げていく。中南米の映画界は今のところ侮れないですね。それにしても本当にTVのニュースって無意味だよなぁ。

 

現在(11/14/2008)公開中  
オススメ★★★★☆

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関連作

  ウェディング・プランナー

 

 どうして梅雨時が結婚シーズンなのかは今ひとつ判然としませんけど、まあごく一般的にこの時期には式場が混むわけです。しかしこの日本にはまだウェデングプランナーなる仕事は一般的ではありません(恐らくは)。で、この仕事をバリバリとこなすジェニファー・ロペス(キャリア・ガールだけど可愛くてセクシー!)が最高のこの作品、共演のマシュー・マコノヒ共々久方ぶりのロマンティック・コメディを成功させています。
オススメ★★★☆☆

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  メイド・イン・マンハッタン

 

 現代のシンデレラ・ストーリーだけに主人公はバツ1子持ち。演じるのはヒスパニック系のジェニファー・ロペス。ところが彼女と上院議員を演じるレイフ・ファインズ はナイス・キャスティングで、現実的でありながら夢見させてくれる作品に仕上がっています。
オススメ★★★☆☆

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  Shall we Dance? シャル・ウィ・ダンス?

 

 既にヒットして、クォリティが保証されている外国映画をリメイクする流れは「リング」からでしょうか。「マーサの幸せレシピ」「幸せのレシピ」に、「オープンユアアイズ」を「バニラスカイ」 など意外に完璧に移植すると、上手くいっている。保守的かどうかは別にして、“良いお話し”を馴染みのキャストで楽しめるんだから、合衆国はやはり映画大国。で、役所広司をリチャード・ギア が、草刈民代をジェニファー・ロペスが演じているのはもちろんスター大国の法則に則っているんだけど、やはりスタンリー・トゥッチリチャード・ジェンキンス が演じている竹中直人、柄本明の役どころにウハウハ。ぜひオリジナルと見比べてみてはいかがでしょう。
オススメ★★★★☆

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