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 一歩間違うとゾンビ映画になりかねない題材を、「シティ・オブ・ゴッド」「ナイロビの蜂」の監督フェルナンド・メイレレスが手掛けると品のある作品に仕上がる。その品格を支えているのは豪華共演のキャスト達。主演のジュリアン・ムーアはもはやメリル・ストリープを抜いて現在のアメリカ・ナンバー・ワン女優なんじゃないでしょうか?この人くらい才能のある監督と仕事している人って他にいないですよ。しかもジャンルは問わず次から次へと。

 

 初期には小品ながらジョニー・デップ 主演の「妹の恋人」でキラリと光る芝居を見せたかと思うと、「エデンより彼方に」では堂々の貫禄。また題材が近いんですけれど「トゥモロー・ワールド」では本当に最初の部分しか出ないながらも印象的だったり、変幻自在の名女優ですな。またそんな演技派と遜色ない芝居を披露した日本人の伊勢谷友介(もう「キャシャーン」のとは言わせない)と木村佳乃は素晴らしいですね。

 

 物語は人々が突然盲目になってしまい、極限状態が現出してしまった末期症状の世界。「座頭市」は1人だけ見えませんでしたけれど、この主人公は1人だけ人間の様々な本性を目撃することになります。隔離された施設では「ミスト」でも描かれたような、もうどうにもならない状態が発生して、見ていてムカムカします。もちろんこの作品は文学が元になっているので、異常事態の推移を見せておしまいと言うわけではない。見える、見られているという枷が1つ外れただけで、奪ったり、殺したり、犯したりを平気でしてしまうのが人間なんだと訴えるメッセージが込められている。

 

 これは人種、国家、宗教を問わず全人類に向けて描かれた人類の映画です。そういった21世紀の題材を中南米の監督が続けて手掛けているのは実に興味深いですね。アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥは「バベル」をアルフォンソ・キュアロンが「トゥモロー・ワールド」をそれぞれ世に送り出している。21世紀になって絶望しかない先進国にはもはや“希望”を描く気力も萎えて久しいんですけれど、この作品にはそれとは真逆のラストが控えている。出演者それぞれがマジで芝居するわけです。

 

現在(11/28/2008)公開中 
オススメ★★★★☆

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