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アメリカを売った男

  アメリカを売った男

 

 前作「ニュースの天才」 が低予算ながら、なかなかの秀作だったビリー・レイ。この人が大作にキラリと光る渋い演技で、映画好きには注目の俳優クリス・クーパーを主演におっそろしい実話を映画化。クリス・クーパー と言ってもピンとこないかもしれませんけれど、「評決のとき」(ごめんなさいレンタルありません)辺りからこの人は?という注目が集まりだし、「シー・ビスケット」で頑固なトレーナー、「ボーンアイデンティティー」で悪の親玉、「ジャーヘッド」でもチラリとしか出ていないのに強い印象を残す。「キングダム/見えざる敵」とか「カポーティ」とか「シリアナ」 とかとにかく良く出てくる割には、名前が先行しない分出演作が量産されている手堅い役者さん。

 

 もちろん彼の演技に負けない共演者も用意されるわけで、彼と相対する若手FBIエージェントに扮するのが「クラッシュ」「父親たちの星条旗」 に主演のライアン・フィリップ。この人も有名な大作に出ているワリには顔がハッキリしないベスト・ポジションにいる人(ほら、名前が売れちゃうとプロモーションに借り出されて肝心の仕事が出来なくっちゃうでしょ?)。

 

 更に分かる人には分かる演技派ローラ・リニー まで出ている。もちろん華がないと言われてしまえばそれまでですけれど、とてつもなく玄人受けするキャスティング。実際インディペンデント(貧乏映画)ですから、セットやらロケやらに予算はそうそう割けない。そこで知恵で勝負なんですけれど、見事「ニュースの天才」 で発揮した監督の実力が冴えます。展開自体も「スパニッシュ・プリズナー」 (ごめんなさいレンタルありません)を思わせる巧さが見て取れて唸ってしまいます。

 

 お話しは実際にあった衝撃的事実。FBIのエージェントが25年にも渡って、ソビエトに情報を垂れ流し。そのために殺されたスパイは50人とか。もちろんこの人現在でも塀の中。ただボンド氏の活躍する007シリーズと違って、爆発もカーチェイスも皆無の地味な情報収集の模様が繰り広げられる。ところがこれが全然退屈しないんですね。

 

 CIAのスタートから描くロバート・デ・ニーロ「グッドシェパード」 もそうでしたけれど、政府の情報機関なんて地味でコツコツとした作業が求められるお仕事。その辺を説得力をもって描ききっているのはさすが。演技巧者なくしては成立しない渋い1本でした。「ニュースの天才」にしても、殆ど室内だけで成立させてしまう巧い造りでしたけれど、この監督第二のデビット・マメット(「スパニッシュ・プリズナー」 )になりおおせるかもしれない。これは通だけに分かるお話し。

 

現在(3/14/2008)公開中
オススメ★★★★☆

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関連作

  ニュースの天才

 

 ウケ狙いのホラ吹きジャーナリストが、やっちまった実話を小気味良くまとめたインディ系の優れた1本。つき始めたウソは止めようがなくて、どんどんエスカレートしていってしまう(「ザ・ホークス ハワード・ヒューズを売った男」)。誰かを想っての嘘(「ウソから始まる恋と仕事の成功術」)ではなく、己のためとなったらまあだいたい行き着く先は似たりよったり。

 

 美貌のヘイデン・クリステンセンならではの“自分を悲劇の主人公に仕立てる”手口は真に迫っている。DVDの特典映像に驚くなかれ、本人出てきますけれど顔は似ていなくとも、雰囲気はモロに移植されている。また相対するまっとうな感覚を持っている、ジャーナリスト魂の編集長に扮したピーター・サースガードと好対照。

 

 監督のビリー・レイはこの後「アメリカを売った男」を撮り、脚本担当の「消されたヘッドライン」で再びジャーナリストを描く。それにしても2003年の段階で、その後多発するであろうことを予見していたとも取れる内容は唸ってしまう。商業主義と本来の機能の間で揺れる報道関係者は今(2011年)ではお笑いヒーロー物(「グリーン・ホーネット」)にまで描かれるようになった。プロヂューサーとしてトム・クルーズが一役買っているのは、知名度獲得の為もあるけれど、「NARC ナーク」と同じでけっこう作品選択眼があるスターであることを証明。

 

 もっとも長期にわたり映画業界で活躍するには必須の才能。そして今はそれほどでもないけれど、いずれ彼の時代が来るのでは?と思わせる美貌のヘイデン・クリステンセン。「テイカーズ」でも出張りませんでしたが、あまりに浮き立つ容貌を今後どう活かしていくのか。彼の引き立て役のピーター・サースガードが旨かったように見せて、・・・トム・クルーズみたいな映画人生になるのかな? 
オススメ★★★★☆

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