ゾディアック      
              6/22


 全米を震撼させた初の劇場型連続殺人、犯人の名はゾディアック。自ら殺人を予告し、メディアを使って警察を翻弄。今でこそ使い古されたこの手口、でも最初は誰も知らないですから厄介です。

 ただどっかできいたことのある“予告”だなと思っていたら案の定、これは「ダーティハリー」(一作目)の元ネタ、あの偏執狂の“サソリ”のモデルなわけです。作品の中でも上映されるシーンがあって納得。それだけ世間をあっと言わせた事件。

 しかしこの作品が描き出しているのは“正義の行方”でも“殺人鬼の心理”でもありません。もっぱら当時のディティールを正確に、綿密に追っているように見えます。喫煙習慣(なんとエレベーター内で吸ってる!)、殺傷能力の低い拳銃(何発も浴びせているのに被害者は命を取り留めている)、驚くほど無造作な殺人現場の検証etc。犯人にしても実はそれほど知能指数が高いわけでも、用意周到なのでもなく、この時代ゆえに出現した犯罪者といえましょう。

 ただこの細かなディティールを助ける上で必要だったのが、実力のある役者。主演の3名、ジェイク・ギレンホールロバート・ダウニーJr. 、マーク・ラファロは凄い。敢えて“自分”を強調しないことで作品世界に埋没、演技力の高さを証明しています。

 史劇のような作品はともかく、40年くらい前の世界を再現するとなると、細かいところはおざなりでついうっかりバレちゃうことがあります。ところが実に細部に至るまで再現してあって、グイグイと引き込まれていく。そして当時をほぼ完璧に描いた上で、犯人に迫っていった主人公たちの生き様が浮き彫りになっていきます。もしCGなどの進化した映像テクノロジーがなかったら、容易には描ききれなかった“時代”の映画、デヴィッド・フィンチャー の進化がうかがえる1本。映画好きは確認しておいた方が良いと思います。かなりやってますから。

現在(6/22/2007)公開中                                       
オススメ★★★★☆

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     ダーティハリー

                        
 
「考えは分かってる、俺が六発撃ったかまだ五発か・・・」冒頭のこの名台詞、名シーンから始まるクリント・イーストウッド の初期代表作。既に“異常者”と対峙しなければならなかった凄腕刑事は殆どが汚れ仕事だけに、タイトルにもなっているアダ名が付くことに。刑事モノの代名詞的作品で、時代を反映してか、後味は決して良くない。
ただずーっとテレビでクリント・イーストウッド を観てたので、故山田康雄氏の声でないと落ち着かず、“吹き替え”の入っていないDVDに手が出なかった。案外そういう人、多いハズ。
オススメ★★★★☆

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