シッコ      
              8/28


 前2作「ボーリング・フォー・コロンバイン」(アメリカの銃の問題)、「華氏911」(覇権国家の侵略戦争)同様、権力者にとって突かれちゃ困る部分を見事暴いたマイケル・ムーア。TVを中心としたマスメディアはもはや機能不全どころか有害ですらある昨今、有益で生活に密着した情報はお金を払って劇場で仕入れなければならないのですね。

 で、シャレにならないアメリカの現実には唖然。しかし同盟国であるこの国は一歩でも近づこうとしていることが、それ以外の国との対比によって浮き彫りになります。アメリカほどひどくないけど、いずれ10年後は・・・。とにかく指を切断して接合するのを、中指か薬指か値段で選択させたり、保険の系列の病院かどうかで熱を出した子供を見殺しにしたり、果ては治療費を払えない人を病院から叩き出したり。いやはや、もはや“この世の地獄”。世界の子供達を描いた傑作短編集「それでも生きる子供たちへ」でもアメリカが一番悲惨でしたものね。

 ところがアメリカに比べると、フランスもイギリスもキューバも患者にとっては天国。医者はみーんな「ER」 に出てきそうなステキな人々。ま、フィクションはしばしば願望が反映されますから・・・。作品の括りで権力者にとって国民が“健康で意志の強い”ことは好ましくないから、と語られていましたけれど真理でしょうなぁ。当たり前のことですけれど、医療に市場原理を持ち込むことなど言語道断なのでしょう。「不都合な真実」と共に必見の1本。決して人事ではない、生活に密着した貴重な情報が得られます。

現在(8/28/2007)公開中
オススメ★★★★☆
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 蛇足ながら・・・
実はこのネタがデリケートなのは、この種の問題を扱った2本の作品が良質な内容にも拘らず、DVDレンタルできず、埋もれてしまっていることでも証明されます。もしどこかのレンタル屋さんにビデオが残っていたらご覧になることをオススメ。
 1本は「運命の瞬間(とき)/そしてエイズは蔓延した」実にショッキングな内容です。なんとアメリカの科学者達はあのエイズを認識していたにも拘らず、製薬会社の思惑と自らの虚栄心から発表を遅らせてしまったことが描かれます。これは実話を基にした恐ろしい話。既得権益と戦うのはマシュー・モディーン扮する役人で、リチャード・ギアとかスティーブ・マーティンとかキャストも豪華です。運命の瞬間〜そしてエイズは蔓延した〜 [VHS]

 もう1本は「ドクソルジャー」とタイトルこそB級ですけれど、内容は超一級。あの“ジャック・バウアー=キーファー・サザーランド”主演の数少ないヒット映画。原題が“ARTICLE99”といって、傷病軍人に関する法律がタイトルでもありテーマ。病院に従事している熱血医師達が“市場原理”を背景に経費節減のため患者をないがしろにする権力者と戦います。これは実に熱い1本。ま、どちらも伏せておきたいアメリカの恥部を描いた貴重な品です。
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  ボーリング・フォー・コロンバイン

                            
 監督のマイケル・ムーア は“消される”んじゃないかと思えるくらい“やばい”ドキュメンタリーマリリン・マンソン やらチャールトン・へストンやら出てきて、笑いながら飽きずに見られます。ただ日本のジャーナリストとはちょっと違い、彼は一歩踏み込んでいます。それはただ取材するだけに止まらず、スーパーで売ってる弾丸の販売を中止させてしまうところです。あそこは感動しましね。
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