ロッキー・ザ・ファイナル
実は「ロッキー3」で三部作完結編にするはずだったんだけど、人気もあったしお客も入ったので“W”も作っちゃった。で、終止符を打つつもりで“X”も作ったんだけど、スタローン自身がどうもスッキリしなかったようで、今回ホントに本当のラストになった。
なんかアントニオ猪木の引退試合みたいですけれど、これ以上はまず無理なので今回が見納め。その意味ではファンへの心遣いが垣間見られて嬉しい限りですな。けれど、押し付けがましくならないところが好印象。金持ちになって“V”辺りから知的な感じすら漂わせていたけれど、やはりロッキーは“頭は悪くともガッツの男”。
最愛のエイドリアンに死なれて、店は持ってて生活には困らないけれど、ピカピカの息子には相手にされなくなっている寂しい老境の男。しかしなーんか物足りないし、世の中すさんでいるし、死ぬ前に一発かましてやるか、と言う実に単純で分かりやすい動機に基づきカムバック(還暦のじじいがどうして?の疑問にもガッツで乗り越えちゃってます)。
ちっちゃい試合のはずが世紀のビック・エキジビジョンになって、チャンピオンと戦うことに。なんだパートTと同じじゃないか、まさにその通り。元々見てきたものにとっては実に嬉しい原点回帰。老体に鞭打っての悲壮感とか、荒れた世の中を何とかしたい、などと言う押し付けがましいメッセージもなく、ただ “頭は悪くともガッツのおじいさん”頑張るの姿が焼き付けられていて分かりやすい。
つまりはロッキー=スタローン なわけで、老いたアクション・スターが最後の一発をかました1本。試合後のスカッと晴れやかなロッキーはまさにスタローンそのものでしょう。こういう映画って他にないですよね。
現在(4/20/2007)公開中
オススメ★★★☆☆
関連作
ガッツだけが頼りの下り坂ボクサー、ロッキー。スマートでクレバーなチャンピオンアポロのご指名でたまたま挑戦したら善戦しちゃったパート1。そしてチャンピオンになっちゃうパート2。いよいよ自分自身と戦うことになるパート3。かつてのライバルにトレーニングされて、新たな挑戦者に立ち向かっていくってまるで少年ジャンプのマンガ(「リングにかけろ」とか「ドラゴンボール 」)みたい。持ち前のガッツを取り戻し、アポロのスタイルで最後の戦いに・・・。
「ランボー」 と撮影が被っちゃったから、ラスト・マッチはガリガリだけど、そんな些細なことはドーでも良くなっちゃう王道スポ根完結編(になるハズだった)。冗談抜きで、仕事でくじけそうになった時、いっつも観てた。心の拠り所になる大好きな一本。初めて観たのが中学生の時だったからね。ナミの滋養強壮剤より効果あります。
オススメ★★★★☆