ラッキーナンバー7  1/17


 あまり期待していないで見ると、かなりイケる作品に出会うことはここ数年よくあることで、この作品はその典型。物語が実によく出来ていて、ま、脚本の妙なんですけれど、素晴らしい。通なら分かる脚本家デビット・マメット(「ザ・プロフェッショナル」「RONIN」「スパニッシュ・プリズナー」)に肉薄するくらいのストーリー展開といってよいでしょう。ところがつまり、内容に触れると台無し意なるので泣く泣く割愛。乗りとしては「スナッチ」っぽいかなと思わせつつ、「パルプフィクション」のテイストを盛り込み、「オーシャンズ12」より出演者それぞれの個性が発揮されている。
 
 この出演者それぞれの個性がこの作品の肝で、まず主演のジョシュ・ハートネット君。「パール・ハーバー」とか「ブラックホーク・ダウン」 とかだと出てるだけに止まっていて、いまひとつ精彩を欠いていましたけれど、今回はそこを逆手にとって・・・。そしてこの作品でヒロインの位置にいるのがルーシー・リュー。こんなに素敵でチャーミングな彼女は初めて見ました。「チャーリーズ・エンジェル」 だと三番手だし、「キル・ビルVol.1」 はエライやられ役でしたもんね。ここのところ出演作が続いているお気に入りのスタンリー・トゥッチ「プラダを着た悪魔」「シャル・ウィ・ダンス?」なんかだとおかまチックにすら見えたのに、今回はなんとマッチョな刑事役。で、とどめは物語のある種のキー・マンになるブルース・ウィリス。でも彼についても言えません、残念ながら。二人の重鎮モーガン・フリーマンベン・キングスレーにしても彼らのキャリアを逆手に取った実に巧妙なキャスティング。
 
 加えてなるほど映画好きがハマってしまう要素として、インディペンデントのテイストがこの作品にはある。確かに豪華なキャストだけれど、決して派手すぎず、用意周到な設計で成り立っている。ここ数年の傾向ですけれど、大作と小規模作品に出ているときの役者の集中力と言いますか、念の入れようは実にあからさま。それは「スタンド・アップ」にしても「ロード・オブ・ウォー」にしても「クラッシュ」にしても、良い作品(或いは良い脚本)に出ることは彼らのキャリアを充実させるからかもしれませんね。そういった意味でこの作品は大当たり。役者もやる気満々で臨んだこの1本お勧めです。今年(2007年)最初に観た作品がオススメ★★★★★。タイトルが示す通りラッキーでした。

現在(1/17/2007)公開中
オススメ★★★★★
  
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     スパニッシュ・プリズナー


  監督のデビッド・マメット(「アンタッチャブル」脚本)に見事してやられてしまうサスペンス。疑ってかかっても、騙されること必至。それは全体のトーンが抑え目であることが大きいかも。仕掛けの連続で劇場で観た時、全部は分からなかったけれどDVDで見直すと、トリックを残さず堪能。なにせすぐに戻って確認できるから。とは言っても“素”で観てぜんぜんOKです。10年くらい前に観てかなり印象に残っているくらいだから。「シングルス」にしてもエリートが自然に演じられるキャンベル・スコットは、とてもコメディアンに見えないスティーヴ・マーティンにまんまとやられてしまう。この当時は「花嫁のパパ」が有名で、後にあのクルーゾー警部でアホ全開になるのが信じられない化けっぷり。
オススメ★★★★☆

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