コマンダンテ   6/8


 この映画が製作された当時(2003年)世界で最もカリスマ性のある国家元首だったフィデル・カストロ。その伝説の男にあのオリバー・ストーン監督(「プラトーン」「サルバドール」)がインタビューをしたドキュメンタリーが公開される。しかもアメリカ合衆国ではなんと上映禁止。

見られること自体が実にエキサイティングな体験で、内容はその何倍も凄いもの。キャメラは延々とカストロを映し出しているのですけれど、まるで飽きるどころか、彼の話す一言一言に引きつけられ、時には唸ってしまいます。さすがはキューバに革命を起こし、合衆国の鼻先にありながら独立を守っている伝説の男。

合衆国側のニュースでしか彼を知らない多くの日本人は、“独裁者”としてのイメージしか持っていません。けれどずいぶんと修正を余儀なくされそう。世界は知れば知るほど様々な相を持っているものですねぇ。彼が街を歩けば人々が寄ってきてタイトルにもなっている“コマンダンテ(司令官)”、“フィデル”と呼び握手を求める。人のひんしゅくをかっているにもかかわらず、駅前で怒鳴っている某国の政治家さんたちや、撃ち殺されたりするどっかの大統領たちとはまるで違います。そりゃあそうです彼が革命を起こし、無料の病院、無料の教育を人々に与えているんですから。その事実はキッパリあの北朝鮮とも違う。

 もちろんインタビューの中にはきな臭い話も出てきます。その辺の遠慮なさはオリバー・ストーン の真骨頂でしょう。だてにヴェトナム戦争に行っていたわけじゃない。しかし基本的に好意的な彼の質問には実に真面目に答えるカストロ。特に歴代のソヴィエト連邦書記長の話や、いわゆる“キューバ危機”の話などは、まさに当事者にしか語ることのできない貴重な情報。無駄を垂れ流すことしかできないTVニュースの何万倍もの情報量があります。

 キューバ革命とか冷戦下の危機とか、歴史的背景をお知りになりたい方には「13デイズ」と「チェ・ゲバラ&カストロ」がオススメ。比較にはならないかもしれませんけれど「GOAL!2」のベッカムにしろ、このカストロ議長にしろ本物のいい男って凄いですねぇ。役者なんか足元にも及ばないその存在感がフィルムに焼き付けられています。インタビューだけの映画なのに感動してしまいました。

現在(6/8/2007)公開中
オススメ★★★★☆

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