チョムスキーとメディア 3/9
映画を見てお勉強するとは大変に奇異に響きますけれど、テレビ、新聞などのマス・メディアに信用がおけない昨今、世界の輪郭を知るのに用いる手段として、映画は結構なツールとなっております。
アル・ゴアがとにかく世界の危機について説いて回っている「不都合な真実」同様に、この作品もとても我々にとって重要なことが語られている。実際に各国で公開されたのは製作された1992年で、この国での公開は遅れること15年。この国と世界との時間差を物語っているようなタイミングですね。
さて、何でわざわざ観に行ったかというと、この作品の監督が手掛けた前作のドキュメンタリーが、やはりとても鋭い視点で作られた本物だったからで、2004年の「ザ・コーポレーション」
は必見の1本。前作で語られているのは巨大企業についてのもので、やはり大変に勉強になります。
そして今回取上げられているのはノーム・チョムスキーというアメリカの知識人。本業は“MITマサチューセッツ工科大学”の教授。かなり根性の座った頭のいいオッサン(現在は既に爺さん)で、彼が指摘しているのはマスメディアが巧妙に隠蔽している世界の実像。“思想注入”なんて言葉は見るまでまるで知りませんでしたけれど、胡散臭く感じていたここ最近のニュース報道にはピッタリ当てはまる事実です。マイケル・ムーア
の一連のドキュメント、「ボーリング・フォー・コロンバイン」や「華氏911」に比べると娯楽性には乏しいかもしれませんけれど、見ないと人類として損でしょうなぁ。
現在(3/9/2007)公開中
オススメ★★★☆☆
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