ユナイテッド93       
                 8/16


 5年前の9月11日朝、いや日本時間ではたぶん午後10時で日付も違う。テレビを通じて見た方は多いはず。後になってテロと判明したけれど、見ている時には事故としか写らなかった衝撃的な瞬間。ではその裏側では何が起こっていたのか。この作品は実に克明に描き出すことに成功しているといってよいでしょう。

 ドキュメント ・タッチで描き出される悲劇的事件の真相は、実に恐ろしく、見ていて緊張を強いられる時間が延々と続きます。ちょっとした息抜きのシーンもなし、観客はその瞬間に立ち会っているような錯覚に陥ります。この作品はまさにその再現に全精力が傾けられたもので、どちらを悪でどちらを善としても捉えていない。TV(暇人の涙を誘うメディア)のドキュメントだと、遺族のコメントなどを途中にさしはさむことで、なんとか事件を口当たりの良いものにする工夫をしますけれど、そんな甘っちょろい部分は微塵もなし。ただ、ただ我々は信じられない凶行とそれをただ補足するだけしか出来ない管制官、軍隊を目の当たりにします。

 この作品が二重に恐ろしいのはまさにこの一点で、善悪という図式を可能な限り排している。見ている人によっては実はテロリスト達が英雄に見えること。彼らの行為にシンパシィを感じる人々にとっては実に英雄的な行為なのです。もちろんそうだからといってこの作品は非難されるべきではない。確かに5年は経過したけれど事態は一向に解決どころか、糸口すら掴めていないという嫌な事実を否が応でも思い起こさせてくれるのです。

 世界は決して良い方向に向かうどころか悪化の一途を辿っているんだなぁと改めて感じさせてくれるヘヴィな1本でした。敢えてお勧めはしませんけれど、現実を直視できます。

現在(8/16/2006)公開中
オススメ★★★☆☆
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絶対ピンチにならないスティーブン・セガールを“小道具”にして、緊張感をイヤでも盛り上げるスカイ・パニック+特殊部隊もの。コワモテのセガールに対して優男のカート・ラッセル。ニューヨーク1997のスネークも出来るけど、能書きだけの分析屋で、 「レッドオクトーバーを追え」のジャック・ライアンよりおよび腰。ハイジャックされた飛行機と聞くと今では“実にきわどい”と感じてしまうけれど、1996年の作品。既に“世界最強の帝国”合衆国はこの種の危機を想定していたけれど、あのような痛ましいこと(「ユナイテッド93」)になってしまった。もはや実際に起こってしまって、活劇には出来ないけれど、このような展開になってくれたら・・・と思わないでもない。

 もっともタイトルの“大統領の決断”をしないで済むように活躍するグリーンベレーの1人、ジョン・レグイザモはかっこ良くて、変わった役(「スポーン」)を好んでする彼にしては珍しい正統派の軍人。彼だけではなくて、オリバー・プラット(「評決のとき」)も脇で光るし、ハル・ベリーも美しい。飛行機という舞台で、密室の緊張感があり、プロデューサーがジョエル・シルバー(「MATRIX」)だけに、ステルス機で乗り込むところは娯楽作の王道(ホントにあんなことできるのかな?)。もう一方の売れっ子プロデューサー、ジェリー・ブラッカイマー「コンエアー」で一捻りしてスカイパニックに挑戦したけれど。
オススメ★★★☆☆

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