オリバー・ツイスト       
                 2/10


 前作「戦場のピアニスト」もそうでしたけれど、あの問題作を数々撮ってきたロマン・ポランスキーの映画に妙に感動することが多い昨今。もっとも彼の作品をそれほど観てきたわけではありませんが、「ナインスゲート」なんかまでは結構エロで、シャレが効いてて、みたいな作品を数多く撮り、それが信者を多く産む土壌ともなってきたのです。

 しかしながらさすがに人生も終盤にきて晩節を汚したくないと思ったのか、本当に“良いお話し”が撮りたくなってきたのか。この二作は本当の意味で正攻法の“格調高い”作品となっております。あの「吸血鬼」を撮った人がねぇ、本当にストレートに文学の映像化が出来るんですものね。

 もちろんシャレが効いてなかろうが、エロじゃなかろうが、彼の技量は映画監督のもの。彼より若い年代の監督にはない映画の感性が脈々と映画の中に漂っています。それはご覧になって確認していただくのが一番なのですけれど、人によっては退屈と映る場面があるかもしれない。しかし一見の価値のあるものとして仕上げる技量はやはり彼も映画監督の一人だったのだなぁと思わずにはいられません。後何作世に提供してくれるのかは心配ですけれど、家族で見ることの出来る、芯の通った一作いかがでしょう。

現在(2/10/2006)公開中
オススメ ★★★☆☆
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     戦場のピアニスト

 

 スティーブン・スピルバーグ 「シンドラーのリスト」 とならび、ナチの非道を後世に伝える重要な作品。 アカデミー賞 もこの作品に監督賞をあげられたんだから、さすが。ロマン・ポランスキーという人は自身の監督作「吸血鬼」で間抜けな助手演じたり、 「ナインスゲート」 もオカルト・サスペンス風なんだけど、どこか笑いを交えた変態チックな部分があったりとつかめませんでした。しかしコレは真っ向勝負の正攻法で臨んだ、素晴らしい傑作。彼の体験も反映されている、生々しい描写に粛然。収容所に連れて行かれる列車から逃げ出すところは生々しかった。まともな映画監督が少なくなっていっている昨今、「映画だなぁ」と唸ってしまう1本。
オススメ ★★★★☆

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