ニュー・ワールド   5/9


 前作「シン・レッド・ライン」戦争映画にもかかわらず、戦闘シーンより独白が多く難解な作品でした。そりゃあそうです伝説の監督テレンス・マリックは“哲学の先生”でもあるのですから。それゆえどうだろうとビクビクしながら観に行ったのですけれど、素晴らしかったですね正直な話。

 イギリス人が当時新大陸と呼ばれたアメリカに上陸し原住民と遭遇する。有名な“ポカホンタス”の伝説を実に美味く料理した監督の手腕は圧巻。白人とインディアンの関わりを描いているという点では「ラスト・オブ・モヒカン」 (ごめんなさいDVDレンタルありません)や「ラスト・サムライ」「オーシャン・オブ・ファイヤー」に似ているかもしれない。しかしながら、かの3作品が白人の侵略だけに重点を置いているのに対して(もちろんその側面は事実)、ネイティブの人々が白人と同化していく部分が新鮮ですね。

 とにかく自然の描写が息を呑むほどに美しく、オスカー 受賞も肯けます。船を撮らせても川を撮らせても良いですねぇ。そういった美しい自然描写を背景に王女ポカホンタスとジョン・スミス大尉との悲恋を、大河ドラマの様相を呈しつつ丁寧に描いていく。この辺の余裕はここ数年のアメリカ映画にはなかったものです。そして主演のコリン・ファレル「アレキサンダー」)、クリスチャン・ベイル「バットマン・ビギンズ」)共にその美貌を嫌味なく自然の中に映えさせていて唸ってしまいます。しかし彼らをして“脇役”たらしめているのはなんと言っても“ポカホンタス”に扮したクオリアンカ・キルヒャー。彼女でなければ“ポカホンタス”は有り得なかったでしょう。

 さて、伝説の監督がその力量を遺憾なく発揮した撮影(エマニュエル・ルベェツキ)も音楽(ジェームズ・ホーナー) も本当に素晴らしい本作、ぜひご覧になってアメリカの歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょう。歴史の裏事情とか陰謀とか全く無縁な清い心と自然のあった時代の物語です。

現在(5/9/2006)公開中                                      
オススメ★★★★☆
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   オーシャン・オブ・ファイヤー



 南北戦争で心に傷を負った主人公が過酷な砂漠のレース(オーシャン・オブ・ファイアー)を経て自己の再生をしていくというのが大まかなストーリー。あれ?「ラストサムライ」 みたいだなとお感じになる方も多いでしょうけれど、確かに似ています。でも現在どこへ向かってよいか分からなくなっている、アメリカ人の心情を代弁している良識的な主人公といえましょう。強いだけではない本物の男の姿がここには描かれていて素晴らしい。それを体現しているのが「ロード・オブ・ザ・リング」ヴィゴ・モーテンセン。前々から良い役者だとは思っていましたけれど、あの大ヒット作がなければ、この秀作も生まれなかったでしょう。映画好きには実にラッキーな一品。地味に見えますけれど見所は満載です。「レイダース」を彷彿とさせる冒険ものとしても楽しめますし、馬のレースは見ていて圧巻。見て損はしないビデオ屋ならではなオススメ品です。
オススメ★★★☆☆

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