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ヒストリー・オブ・バイオレンス |
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昨年(2005年)から見終わった後に決して心地良い思いをしない作品が結構傑作、秀作だったりします。こういった傾向が続いていますけれど、今回も現実を見据えた甘くない一作。「ロード・オブ・ウォー」や「シリアナ」、「ジャーヘッド」などは戦争という醜悪な“現実”を直視することで、大人の鑑賞に堪えられるだけのクォリティを作品に与えることに成功しました。 | ||
そしてアカデミー賞を受賞した「クラッシュ」にしろ本作にしろ、日常の様々な局面で現れる現実を描いていて、見ている方は唸ってしまう。それは韓国の「タイフーン」にしても超大作で娯楽作ではあるけれども、決して浮世離れしていない地に足のついたテーマだからこそ、漫画にならずに済んでいるのだろうと思います。 | ||
で、「ザ・フライ」やら「ビデオドローム」の監督ですからまたまた異形、奇形の類が出てくるのかと思いきや正攻法にドラマを展開している。ま、エド・ハリスの演じるキャラクターが唯一クローネンバーグ印といったところでしょうか。では見所はというと豪華な演技巧者の出演者達。前述のエド・ハリスは不気味な男を、久しぶりに登場のウィリアム・ハートも悪役をそれぞれ凄みを効かせて演じている。元々クローネンバーグの作品には曲者の上手い役者が出ていましたけれど、今回はそれが全開って感じですね。 | ||
では見所はというと豪華な演技巧者の出演者達。前述のエド・ハリスは不気味な男を、久しぶりに登場のウィリアム・ハートも悪役をそれぞれ凄みを効かせて演じている。元々クローネンバーグの作品には曲者の上手い役者が出ていましたけれど、今回はそれが全開って感じですね。 |
なかでも主演のヴィゴ・モーテンセンの素晴らしさは必見。「ロード・オブ・ザ・リング」で“王様”になってしまったもんだから、超A級しか出ないのかと気を揉んでいたら、やってくれました。彼の実力が如何なく発揮されていて、「プレイデッド」以来久しく見ていなかった凄みのある芝居が堪能できます。 | ||
テーマはタイトルが示す通り暴力に関しての物語。過剰に描くことなくマトモな家族が被る暴力を巡るお話しで、甘さが一片もなく見ている者を深く考えさせる大人向けの一本となっております。元になったのがグラフィック・ノベルだそうで、ちょっと意外でもあります(要は日本の劇画ですからね)。ただグラフィック・ノベルからは「フロム・ヘル」とか「コンスタンティン」とか結構当りもありますから、料理人である監督次第で結構いける作品が今後も期待できます。 |
「裸のランチ」とか「クラッシュ」とか変態映画の監督として認知されてきたクローネンバーグですけれど、その実力は若手監督とはまるで違います。神経症的サスペンスとか漫画チックな作品(昨今大量発生していますよね)では満たされない、大人向けの苦い現実が突きつけられるこの作品、必見です。 現在(4/23/2006)公開中 オススメ★★★★☆ |
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関連作 |
プレイデッド |
「ブラックレイン」のイギリス版といった趣の小品。“捜査権限”のない外国に渡った刑事が、なんとか“密売屋”を捕まえようとする物語。しかし見所はなんといっても渋い刑事役のハーヴェイ・カイテルといかにも“ワル”がはまっているヴィゴ・モーテンセン。主題歌をビョークが歌っていたり、後に「GOAL!」を撮るダニー・ボイルのデビュー作だったりと観ておいて損はしない1本。 オススメ★★★☆☆ |
クラッシュ(デヴィッド・クローネンバーグ版) |
もともとJGバラードの近未来SFが原作だそうですけれど、現実世界が追いつきそうな危険な“遊戯”が題材。出てくる人々は“事故マニア”で、主人公を演じるのはこの人しかいないジェームス・スペイダー。美女!デボラ・アンガーを追いつめるラストはスリリング(変態チックに)。 オススメ★★★★☆ |