ディック&ジェーン 1/16
「ブルース・オールマイティ」でコメディにお帰りなさいした顔面芸男ジム・キャリー。ここんとこ「エターナルサンシャイン」などに出ていて、演技派開眼、シリアス路線への転換か?、第二のトム・ハンクス狙いかと思いきや笑わせてくれました。料理人である監督のディーン・パリソットが良かったんですな、あの珍作「ギャラクシークェスト」を撮った人ですから。枠組みはどう見てもお笑いなのに、恐ろしく真剣に作ってあるというあのトレッキー垂涎の逸品。
さて、とんとん拍子に出世街道まっしぐらのお調子者の野心家であるディック。この場面もかなり笑えるのですけれど、いきなり会社は倒産というか、売り飛ばされちゃうわけですね。この辺は現代社会よろしく社長は会社の株を売りさばいてさっさとトンズら。TV番組に引き出されたディックのうろたえぶりをよそに株価がグングン下がっていくのは笑えます。しかし野心家で見栄っ張りの元重役は仕事にこだわるあまり財政的に窮地に陥っていってとしまう。
そういえば子守がメキシカンで子供にスペイン語を教えるものだから、マトモに映画を話せないってトコは現代アメリカが抱える問題をギャグにしてますなぁ。そして落ちもいかにも現代アメリカの現実が反映されています。まぁこの辺は見てのお楽しみです。
一見従来のジム・キャリーお得意の炸裂コメディの体裁も見え隠れしますけれど、さすがに四十路のこの男キチンとしたテーマも盛り込んでおり、成長の後が伺えます。エディ・マーフィーもただ早口トークだけではなくなってきていますものね。でも、できればアカデミー賞
はコメディの演技で獲得してもらいたい。確かに従来のファンもイケますけれど、アメリカの社会をご存知の方なら2倍イケます。
観賞日付(1/13/2006)
オススメ★★★☆☆
Fun with Dick & Jane
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