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 この作品は2つの優れた映画を思い起こさせます。「羊たちの沈黙」「デッドマン・ウォーキング」。前者では刑務所の檻越しに師弟とも恋愛とも受け取れる異常(或いは至極まっとう)な関係が描かれる。片や後者は死刑囚の持つ最後の良心にかけてシスターが迫っていく。

 

 アカデミー賞 をこの作品で受賞することになるフィリップ・シーモア・ホフマン (「Mi-V」)が扮する作家、トルーマン・カポーティは殺人事件の取材を通じて、殺人犯の心理に触れることになります。そして結果として作家生命を縮めていくことに。観る前は作家のバイオグラフィ的な作品かと思っていましたけれど意外や意外、極めて密度の濃い心理サスペンスでした。

 

 「ティファニーで朝食を」で既に名声を手にしている作家トルーマン・カポーティは新聞記事から興味を引かれ、片田舎の猟奇殺人事件に材を採り、小説にしようと取材をしていきます。しかし犯人と関わっていくうちに取り返しのつかない深みにまで彼は連れて行かれることになる。

 

 もし彼が「デッドマン・ウォーキング」のシスターのように、確固たる信条を持っていれば死刑囚の心理にのまれることなく文壇の寵児であり続けていたかもしれない。しかし「羊たちの沈黙」のクラリス捜査官のように、彼には死刑囚から聞き出さなければならない真実があったわけです。そしてその真実がなければ彼の作品(小説「冷血 」)は完成しない。

 

 殺人犯の心理近にづけば近づくほどシンパシィを感じるが、刑が執行されなければ作品は完成しない。この二律背反、自己の葛藤を見事演じ切って見せたフィリップ・シーモア・ホフマン のオスカー 受賞は当然でしょう。お好きな方には堪らない一品。

 

現在(10/11/2006)公開中
オススメ★★★★☆

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関連作

 羊たちの沈黙

 

 「セブン」と共にサイコ・サスペンスが量産される時期を生み出したエポック的な1本。暗い時代の幕開けを宣言する、とてつもなく恐ろしくて面白い。その証拠にアカデミー賞のずーっと前に公開され、とっくにビデオ化された後に受賞。後にも先にもこんな作品は見たことありません。ジョディ・フォスターにとってはキャリアの彩となりましたが、アンソニー・ホプキンス にとってはイメージ(レクター博士)が固定されてしまって、後々苦労することに。しかしこの2人のやり取りは、常軌を逸しているようである種の“純愛”を表わしている。本当に素晴らしいんだけど、本当に恐ろしい。
オススメ★★★★★

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  デッドマン・ウォーキング

 

 死刑制度をニュートラルに捉えようと努力した画期的作品。役者としては“ボンクラ”な役が多いティム・ロビンスですけれど、監督業では恐ろしくシリアスですね。妻であるスーザン・サランドン も渾身の演技だし、ショーン・ペンは言う事ないし素晴らしい作品です。ただし内容がかなりへヴィですのでご注意を。
オススメ★★★★☆

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