ヒトラー最期の12日間   9/15


 外国産ですと、必ず“悪の象徴”として描かれるアドルフ・ヒトラー。実際史実がそう示しているし、連合国が勝利して良かったなと戦後教育を受けた身としては納得。ただドイツ人が描いた奴を目にしたことがなかったから、この作品は新鮮。本当に間近にいた元秘書の証言から再構成されているヒトラーの最後は、同情云々ではなくて惨めだったんだなぁ、とつくづく痛感しました。だってベルリンの地下壕に追いつめられて、自殺のことしか考えられないんですものねぇ・・・。

ヒトラーに扮したブルーノ・ガンツ、「ベルリン天使の詩」 に続き世界的な知名度が上がること必至の演技で、素晴らしい。かつて彼はナチの残党とナチ・ハンターの攻防を描くサスペンス「ブラジルから来た少年」 (ごめんなさいDVDレンタルありません)にチラリと出ていましたけれど、今回はまさに本丸で、狂気を垣間見せる。

それにしても冷徹かつ生々しい描写で、他国からは“戦争の張本人にして極悪非道”な人物として認識され、自国内にはいまだ支持者のいる男をよくここまで冷静に描けたものです。オリバー・ヒルシュビ−ゲルという人、今後のドイツ映画を牽引していく監督になるのか・・・。このバランスを元同盟国のこの国の監督たちは保てるんだろうかとふと思ったりして・・・。

その罪科に関してはいやってほど作品が作られてきたけれど、本人に迫るものはドキュメントを除いて数が少ない。悪い意味ではあるけれど、20世紀を代表する人物の1人だし、後世に残す仕事を果たした監督と、貴重な証言を残した元秘書は勇気があります。久しぶりにずっしりとした作品に出会えた。

現在(9/15/2005)公開中 
オススメ★★★★☆
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      ブラジルから来た少年

 
 
ナチ残党の恐るべき陰謀を、ナチ・ハンターが追うサスペンス。あの「ローマの休日」のグレゴリー・ぺックが実在したナチ戦犯メンゲレを演じている。実際メンゲレが逃亡したのがブラジルで、タイトルにもなっている。この時期××××技術が世間的にも知られるようになり、陰謀の中核になっている。「ルパン三世」の最初の劇場版でも使われたネタで、この作品は更にもう一捻りしているところがミソ。劇場未公開なのが勿体無い。
オススメ★★★★☆

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