アレキサンダー
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名前は知っているけれども実態は良く分からない歴史上の人物。昨年来ハリウッドで量産され続けている史劇を題材にした歴史超大作のとどめの一撃がこれ。アーサー王(「キングアーサー」)やアキレス(「トロイ」)、キリスト(「パッション」)とヴァリエーションは出尽くした感がありますが、最後に残った伝説の男というとこのアレキサンダー大王となるわけです。人類の歴史上最も広大な地域を征服した男ということまでは知っていましたけれど、まさか二十歳で王になり、十二年後に亡くなっていた事までは知りませんでした。で、美貌の若き征服者に扮したのがコリン・ファレル君。アクション(「S.W.A.T」)、サスペンス(「フォーンブース」、「リクルート」)などの作品をこなしながら、歴史上の人物に扮して熱きバトルを繰り広げます。
監督はこういった作品にはまるで手を伸ばしてこなかったオリバー・ストーン
。ホントに歴史物なんか撮れるのかなぁと思っていましたけれど、結構やってます。作品の中で繰り広げられる“ガウガメラの戦い”この合戦シーンは出色の出来。ここ最近の史劇的コスプレ
の中ではベストと言って良いでしょう。
ただ焦点が置かれているのが、さすが陰謀サスペンスの男オリバー・ストーンという感じで、彼の家族関係や死にまつわる部分。暗躍するアンジェリーナ・ジョリー
の毒婦ぶりも見事でしょう。こういう役似合いますよね、彼女。加えて史実に忠実に事実を追っかける監督だけに彼がバイ・セクシュアルだったこともキッチリ描いている。この辺は好みの別れるところでしょうか。
ま、世界の彼方まで征服しなくちゃ気が済まない素っ頓狂な男の人生だけに、飽きもせず3時間みっちり見ることが出来ます。その素っ頓狂な部分が命取りってワケで、日本でいうとやっぱ織田信長タイプだったのではないでしょうか。ほら、魅力的だけど、構築するって観念がないから業績もろくに残さずに死んじゃう人。ギリシャから始めてインドくんだりまで出掛けていって、象と戦うなんてちょっと考えられないです。
現在(2/7/2005)公開中
オススメ★★★☆☆
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